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『脈拍のリズム』
ユニークポイント
『脈拍のリズム』
作・演出/山田裕幸
下北沢OFF・OFFシアター
<2005/09/17(土)19:30 全席自由>




重かった。ずしっと来ました。
娘を交通事故で失った夫婦の物語で、「夫婦の絆って・・・」って考えさせられた。夫婦を始めたばかりのあたしには非常にタイムリーだった。娘はいないけどね。
始めのシーンでは、まだ娘は生きている幸せな家族の様子で、小学生の娘がいてそれはちょっとリアリティないんじゃないのってくらい仲良し夫婦だったんだけど、娘を亡くしたことで、夫婦の関係までもがうまくいかなくなっていく。妻は悲しみから抜け出せなくて、夫はなるべく現実を生きようとして、お互いの立っている地点が全然違う場所になっていってしまう。
ラストでは、その夫婦が今まで住んでいた家を引っ越したってことはわかるんだけど、夫婦の関係自体がどうなっていったのかは語られなかった。その代わり、始めの幸せなシーンにも登場していた後輩夫婦(子供ができないせいで夫婦仲がうまくいっていないという会話があった)の妻のほうが、事故のときに道の向こう側で熊のぬいぐるみを使ってわざと娘を呼んだという衝撃の事実の提示があって、あぁ、そうなのね・・・って、何が繋がるでもないんだけど、いろいろなことが急に腑に落ちて、とにかく苦しい物語でした。
見ている途中、あたしがもし愛する人を失ったらってことを考えていた。一緒に見ていた夫は、もしあたしが加害者だったらってことを(加害者の女性とその婚約者も出てくる)考えていたらしい。なんにしろ、自分にひきつけて考えてしまう芝居だったと思う。秀作。
by nawokot | 2005-09-17 19:02 | ブタイヲミル
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